働く女子の昇給成功アップ!の秘訣

当時、40代前半。某メーカーの中堅企業に一般事務として転職し、早10年が経とうとしていました。勤務先以外の親しい友人は、役職が付いて数年経つ人・役員になった人・自分で起業した人など、ほとんどが皆それぞれに、ある程度の肩書と年収を手にしていました。40代・独身・子無し・平社員。肩書き年収は欲しいけれど、これ以上、転職するのも、はたまた起業するのもリスクが大きすぎる。正社員で働けていたとは言え、今後の自分の将来と立場に焦りとただならぬ不安と悩みを感じていました。

安定した勤務先とはいえ、「ザ・日本企業」の典型的な純日本企業のスタイル。当然、役員も全員が男性。同年代の男性や年下の男性までもが次々と昇進していくなか、女性の管理職は1%にも満たない、日本にはよく見られる男性上位の企業でした。前職でベンチャー企業や外資系での勤務経験があった私は、そのことに納得ができず、大きなカルチャーショックを抱えながら、最初の数年は出る杭を打たれるかのごとく、煙たがられる存在でもありました。

悩みに悩んだ末、転職や起業を諦めた私は、「なぜ同年代(または年下)の彼らがスムーズに昇進できるか?」と漠然とした疑問が湧き、社内で昇格の早い男性社員を徹底的に分析しました。時には会議の場での彼らのやり取り、会話の中でのさりげない上司の立て方、お酒の席での立ち居振る舞い。どの男性も、それぞれに感嘆するほど、「ゴマをする」のとは違う、「上司を立てる」のが本当に上手なことに気付きました。ただでさえ男性上位の純日本企業、「男性なんかに負けない!」というオーラ全開で働いては、どんなに仕事がデキる女性であっても昇進できるわけがありません。人や規則を変えることは至難の技ですから、要は自分が変わる必要があること。そのほうが手っ取り早くもあることに、ザ☆日本企業に転職してから10年目にしてようやく気がついたのです。

そこで、会議では徹底的に「聞き役」に回りつつ、意見を求められた時または進行が止まっている時だけ切り出す、部門を超えてのお酒の誘いには可能な限り付き合いおじさん達の愚痴や悩み相談を受ける聞き役に徹し、最後に一言だけ自分の意見を述べる、などを繰り返しているうちに、裏での上下関係が少しずつ入れ替わっていったのが目に見えて分かりました。おじさん達が私に一目置くようになったのです。「女性ならオンナを使って昇進」というと、あまり良くないイメージで使われることが多いですが、そういうマイナスな意味合いではなく、「男性、特におじさん達が求める女性像に近づける」ということなんだと理解が深まりました。なぜならお酒の席でのお酌ひとつ取っても、デキる男性ほど上司だけでなく部下や後輩のグラスにも目を配り、こまめに空きをチェックしながら何度もお酌をしています。決して大勢の場ではでしゃばらない、頷いて相手が納得するまで聞き役に徹する、自分の意見は最後の最後に述べるなど、決して男性と戦おうとしないことです。

そもそも仕事に対する評価はそこそこ高かったため、業務レベルを落とすことなく努力を続けていた昇進会議の2か月前。上司から「他の部署の上司達からの評価も高いこともあるし、あなたを次の昇進会議にかけたい。」との一言がありました。すっかり忘れていましたが、昇進会議には、なんと、部署を超えてお酒に付き合っていたおじさま達も多数参加するのです。合否の鍵を握っている、いわば「味方」がゴロゴロいたわけです。

昇進の提示は、平社員から主任への昇格、月収で1万円、ボーナス時で年収の約2%のアップという内容。最初は「たった1万円!?」とガッカリしなくもなかったのですが、よくよく考えると、年収で20~30万円のアップ。年収が400万円台後半なら500万円になる計算です。

コピー用紙5枚のレポートと、全部門長による合否判定(多数決)、役員面接、調整会議、そして最後は社長面接。NGが出された男性もいるなか、見事あっさり合格し、年収アップにも成功することが出来ました。

何年経っても、何十年経っても、どんな法律が出来ようと日本はこれからも男性上位社会。

仕事は地道に高いレベルを維持しながら、関わる人すべてに優しく接すること。男性と勝負するのではなく、いかに男性を味方に付けるかを常に念頭に置くこと。

そうすることで、周りの女性社員を敵にまわすことなく、男性社員のひがみを受けることなく、総じてスムーズな昇進のチャンスをきっと掴めるでしょう。