昇給のタイミングは社長のご機嫌次第

ベンチャー起業のソフトウェア開発会社での昇給エピソードです。今思えば、入社した時から給与に関しては言い値で通るような会社でした。面接時に希望給与額を聞かれ、前職の給与を保証頂けたのですが、前職の給与はかなり残業代が含まれた額だったので、私としては大幅アップでした。タイミングが良かったのかもしれませんが、その場で額面保証頂けたのは運が良かったのかもしれません。

当時の会社は業績が右肩上がりで株主が喜ぶ株価となっていたので、社長のご機嫌も上々といういわゆる体力も財力も元気な会社でした。とは言え、管理部門という会社の売り上げには貢献しない部門に所属していたので、営業や製品開発チームに比べたら微々たる金額でしたが、それでも全員が昇給出来るほどでした。

転職1年後、まず最初の昇格がありました。 最初の昇格は、対外的に肩書きが必要ということで担当から主任へと役職がランクアップし、給与も役職手当が付くようになりました。 次の昇格は上長が退職することになり、所属部署のマネージャーが居なくなってしまうという理由で、マネージャーに昇格。もちろん責任範囲も広がりましたが、主任に比べると役職手当は大幅にアップしたので、心とお財布のモチベーションもアップしたのを覚えています。

責任者が居なくなるという理由での昇格は疑問もありますが、この先の昇給は今では考えられないミラクルが起こります。

まず最初のミラクル昇給ですが、所属部署に新しいミッションがあると社長に呼び出され、ミッションを与えられた後に昇給も与えられました。 社長より一言、「貴女の給料は少なくないか?」 自分の給与額に不満は無かったのですが、突拍子もないことを言われたことに言葉が見つからず、しばらく考えてから「十分頂いています。」と返答したのを今でも覚えています。 この日の社長はご機嫌絶好調で、昇給が言い渡されました。その金額はその当時の年俸にプラス100万という大幅アップとなりました。

まるで八百屋さんのような会話で給与が決まるとは思ってもいなかっただけに、混乱した1日となりました。そして、人事より昇給通知が届き、現実となったのです。

当時私のように社長から急に呼び出され昇給する社員が何人もいました。ミラクル昇給した同僚たちの話しを聞いたところ、それぞれシーンは異なっていたのですが、多くの人は100万円単位での昇給と言ってました。その内の1人ですが、そんなに給与を上げられたら仕事量も増えると思い、社長の申し出を断ったそうです。結果どうなったかと言うと、しばらくの間社長からの風当たりが強くなりました。社長のご機嫌次第なので、ご機嫌を損ねた時は何が起こるかわからないという社風の中で、よくぞ申し出を断ったものです。社長からの昇給の申し出を断ったその方は今でも伝説の社員の一人と言われています。

このようにあまりにも突然昇給が訪れるのと、昇給対象となる方の上長すら知らされていないので、昇給が決まった後の昇給関連の書類の事務処理等が止まってなどトラブルもありました。そしてそのトラブルが原因で昇給書類が承認されず、昇給額面が半分に減ってしまうなど予想も出来ない出来事もあったと聞いています。

会社の経営状態が良く、社長のご機嫌が続いた時に起こる予期せぬ昇給を経験すると普通に昇給することがありがたく感じます。そして、今思えばこれだけ昇給する経験は滅多にないことだと思うので、とても貴重な経験をさせてもらったと感謝しています。 今は転職してこの時の給与の半分以下ですが、この会社で頂いていた給与の額面が多すぎて2年は税金の支払いで大変苦労していますが、働く時間よりのんびりと家族で過ごす時間が増えたので、いろいろな意味でとても健康的です。