営業成績のみの昇給幅

営業職に就いていた時の経験です。就任して2年は昇給なし。最低2年は昇給に値しない実力と言う事でしょう。2年以降は1年ごとに営業成績ごとに昇給幅が決まっていました。営業成績が良いと上層部の判断にて金額幅が決定するのですが、成績が悪いと昇給幅はゼロと言う事も。

逆に2年連続で営業成績が芳しくない場合はマイナスに転じることもありました。なのでかなりのプレッシャーが重くのしかかっていました。ある程度頑張って昇給額を上げたところである程度の成績を維持する事が出来なければ昇給額がマイナスとなるので気が抜けません。プレッシャーに耐えられない者は去っていく方も多くおられました。

昇給幅に関しては成績次第ですが、私が知るところによると-5パーセントから10パーセントの幅があると聞いておりました。私は5パーセントから10パーセントの間を行ったりきたりという具合でした。昇給の知らせは給料日に給与袋の中に昇給通知が入っており、その内容とは1年を通しての営業成績が記載されておりました。売上金額や何をどれくらい販売したなど、細かく記載されておりました。

会社全体の売り上げ、トップ成績者の売り上げ数値、平均的な売り上げ数値、最下位の売り上げ数値。さらに一定の基準値が記載されており、売上金額が幾ら以上だと昇給幅が何パーセントというように数字で昇給幅の規定というものが記載されておりました。したがって、おおよその金額は本人がある程度予想がつくものでした。今年は頑張ったと思えばそれなりの昇給幅が見込め、成績が良くなかったと感じればあまり期待できるような昇給額ではありません。

営業成績による昇給規定なので交渉の余地もありません。売り上げのみの評価となるわけです。幸い毎年プラスの昇給額でしたが、気持ち的には落ち着く暇がありません。その会社には7年ほど勤めていましたが、さすがにいつまでも精神的、肉体的に持つことは厳しいと考え転職を決意いたしました。

この会社で経験し悪かった点は、あまりにも営業数字にこだわりすぎて社員の心に余裕がなかったところです。売らなければいけないという気持ちが社員の平常心を奪い、お客様に対して押し売り的な行動にでる方も多くいました。そのような販売方法では「本当にお客様のためになるのだろうか」という思いが常に自分の中で葛藤しておりました。強いプレッシャーの中、ストレスを感じ体を壊すもの、また心を病んでしまうものが多く出てしまう職場でありました。売り上げのみの評価はいかがなものかと思います。それだけに執着してしまうと、社員それぞれの得意分野が発揮できないのではないでしょうか? もっといろんな分野で評価してほしいと感じました。そのほうが組織としての団結力も生まれるのではないかと思うのです。それぞれが得意分野を活かし組織として業績を伸ばしていく。評価の対象が一か所しかないと言う事は周りは全て敵になってしまいます。それでは団結力どころじゃありません。

逆に良かったところは、営業職の厳しさを肌で感じる事が出来たことです。ある意味競争力の激しい中での人間関係構築。周りは全て敵という中でどう気持ちを隠しながら接していくか。敵対心をそのままに接していたらどのような事態になるかわかりません。実際、売り上げの良い社員に対しての妬みがそのまま感情となって接してしまい、もめることになるという事態もあったのです。私はこれまで転職の回数はそれほど多くはありませんが、これほどまでに大きなプレッシャーを感じる会社を経験したことはありません。この会社の経験があったからこそ、ある程度の事は耐えられる気がします。またプレッシャーによって人間が変わっていくさまも見る事が出来て良い経験が出来たと思っています。かなりポジティブですが…。